「腹減った」を連発しながら待つこと1時間。ようやく美濃太田行きの列車が来た。
「これで安心だな」
「ああ、あとは高山線に乗り換えるだけだ」
もうすっかり日も傾きかけている。
美濃太田でろくに時刻表も見ずに下呂方面とおぼしき列車に乗り換え。
「なんか白川口行きって書いてあるからそこで次の列車を待てばいいかな?」
「そうだな、たぶんすぐ来るだろう」
もういい加減疲れ果てて、気温も下がってるし、白川口まで二人とも気持ちよく眠る。
「ようし、ここで乗り換えだ、このホームで待てばいいんだな」
その時近くにいた車掌さんに突然声をかけられる。「大丈夫」
「ええ、大丈夫です!...って何が?」
「後1時間以上列車こないよ。」
「え?...えええ~?!」
「もう寒いし待合室で待ってたほうがいいよ、売店もあるし。」
「「そのようですね...ありがとうございます...」またかよ..._| ̄|◎
見れば、俺らの他におそらく同じ罠にかかったと思われる女性二人組。
途方に暮れるその姿を見て(...今回はバカは俺らだけじゃなかったな)
と心を慰める。
それにしても寒い。日はすっかり暮れて急速に気温が下がり始める。
下呂を目前として、またしても停滞を強いられるおれたちなのであった。
つづく